キャンプインを7日後に控え、期待の左腕に約束した。巨人・阿部監督が25日、宮崎キャンプに備えた荷出しのために川崎市のジャイアンツ球場に登場。居合わせた6年目・井上に「2桁勝ったら背番号変えてやる」と背番号変更へのノルマを課した。
井上は昨季途中から先発ローテーションに定着。自己最多の8勝を挙げ、4年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。DeNAとのCSファイナルS第4戦では、6回1死まで完全投球。侍ジャパンにも選出され11月のプレミア12では、開幕戦を含む3勝を挙げた。オフには球団内で現在の背番号「97」から若い番号への変更の動きもあったが、阿部監督が「ダメと言った」と止めていた。
以前から「僕は井上に厳しい」という指揮官にとっては、1年目の20年から2年間、2軍監督として指導した秘蔵っ子。昨年7月27日のDeNA戦で外角に外すボールが弱くなった際は、杉内投手チーフコーチをマウンドに送り間接的に「10年早い」と厳しい言葉もかけた。好投した試合でもベースカバーの遅れを指摘するなど、厳しく接してきた。
井上は空き番号の左のエースナンバー「21」を「憧れの背番号」と熱望している。指揮官からの大きなニンジンに「そういうふうに見てもらえてるのはうれしい。期待に応えられるように頑張りたい」と気持ちを新たにした。ただ、阿部監督の求めは大きい。「9月に勝ってほしい」。勝負どころで勝ってこそ「左のエース」が近づく。（小野寺 大）