元タレントの中居正広氏(52)の女性トラブルを巡り、フジテレビの一連の対応が批判を集めている中、同局の番組制作に影響が出ていることが25日、分かった。
4月から始まる新番組の責任者の一人は、スポニチ本紙の取材に「広告が止まり予算が見通せない状況で何を準備すればいいのか」と本音を吐露。「本来は最終調整に入っているはずの時期だが、キャスティングや美術も決まらない。睡眠時間を削ってあらゆる可能性を考えている」と話した。
影響は放送中の番組にも出ている。特に月9ドラマ「119 エマージェンシーコール」の現場では不安の声が続々。同作は119番通報を受け、救急車などの出動を指示する指令管制員を描く物語。横浜市消防局が全面協力している。本来は同ドラマとタイアップした消防士の活躍などをPRするポスターを各市町村に配布する予定だったが、一連の問題を受けて20日に中止が発表された。同局関係者は「いつドラマの制作に影響が出てもおかしくない」と戦々恐々としている。
23日に行われたフジの社内説明会では、同番組に関わるスタッフが「(市側から)仮に119番にまでクレームが来たら、協力を外さざるを得ないと説明があった。このままでは最終回まで撮影できない」との声を港浩一社長にぶつけていた。制作会社関係者は「今は粛々と撮影をしています。ただ市の協力がなければ、ロケはもちろん、消防車や救急車も使用できない事態になる」と明かした。
バラエティー番組スタッフも頭を抱えている。取材に「街ブラやグルメロケの許可が下りず、すでに撮影した素材の差し替えを頼まれるケースもある」と説明。影響はフジだけでなく系列局の関西テレビなどにも出ているといい「特に関西はロケ主体の番組が多く、撮影場所が見つからない」とこぼした。
テレビ局の根幹となるコンテンツ面にまで影響が表れた今回の問題。経営を揺るがす重大な危機を脱せるか、全ては27日の会見にかかっている。