◇競泳北島康介杯最終日(2025年1月26日 東京アクアティクスセンター)
第2日に行われた女子400メートル個人メドレー決勝で、背泳ぎのターン標識が誤って設置されたためにレースが不成立となった問題で、大会を主催する東京都水泳連盟が陳謝した。また決勝は大会最終日のこの日午後に再レースを行うことが発表となった。
取材に応じた北島康介会長は、「ご心配とご迷惑をかけた」と謝罪。大会委員長を務める同協会の内田孝太郎専務理事も「選手の頑張りを無にしてしまった。あってはならないこと」と頭を下げた。
内田氏の説明によると、21年東京五輪の競泳会場にもなった東京アクアティクスセンターのプール壁は可動式となっており、長水路(50メートル)か短水路(25メートル)かによって、壁を移動させるという。そのためターン標識の旗をプール間に渡すポールを立てる穴が2箇所にあり、女子400メートル個人メドレー決勝前には役員が誤って設置。長らく競技会が実施されてきた東京辰巳国際水泳場は穴が1箇所のみだったため、「起こりえないこと」(内田氏)とミスに気づかないままレースが始まってしまったという。
再レースは最終日の最終レースとして行われるが、決勝進出者10人中2人は棄権を申し出たため、タイムレースとしての扱いになるという。24日と再レースのうち、上位タイムが各選手も最終結果となり、順位を決定することになる。
24日に不成立となった決勝では、規則で壁から5メートルの位置に設置が義務づけられているターン標識の旗が、2・5メートルの位置に設置されるミスがあった。距離感を誤り、壁に腕や頭部をぶつける選手が相次ぎ、軽いむち打ちのような症状を訴え、2人が病院で検査を受けた。内田氏によれば大事に至った選手はいなかったという。