30歳の阪神・近本が、社会貢献活動を「長く現役生活を続ける」というモチベーションに位置づけた。理事を務める一般社団法人「LINK UP」と芦屋市教育委員会などが協力し、今年度からスタートする「一歩踏み出す勇気 未来につなぐプロジェクト」の説明会が芦屋市役所で行われ、高島崚輔市長らも出席した。
「自分を高めるためにも社会に貢献したい」というプロジェクトは、子供たちに本物に触れる体験を提供し、学ぶ機会をサポートしていくもの。芦屋市立の中学に通う新1、2年生を対象に、10人の参加者を選抜。4月から芦屋市内で月1回、各界のプロを講師に迎えるなどの勉強会を行い、26年1月に発表会を行う計画。シーズン中の近本も、休日返上で勉強会に参加する異例のスタイルで取り組む。
「僕も行って一緒に学びたい。だから(試合のない)月曜日にした。いいものになればシーズンのモチベーションにもなる。継続することが大事だし、単発で終わるつもりはない」
さらに近本の思いは今後の現役生活にも及んだ。「子供たちも純粋だし、今テレビに出ているかどうかは大きい。現役選手に関わるのと、引退した選手とでは違う。だからこそ現役の間に始めた。僕にとっても刺激になる」と言い切った。
今オフは芦屋だけでなく、関学大、淡路島、沖永良部島など社会貢献活動の場を広げた。「忙しかったけど、同時にやっぱり優勝しないといけないという気持ちも強くなった。これからは阪神の近本。どんなキャンプになるか楽しみ」とスイッチを切り替えた。(鈴木 光)