◇大相撲初場所千秋楽(2025年1月26日 東京・両国国技館)
西幕下5枚目の大辻(21=高田川部屋)が東十両10枚目の島津海(28=放駒部屋)を破って5勝目を挙げ、関取昇進を確実とした。
突っ張って先に攻めると右を差されて攻め返されたが、左上手から力強く振って豪快な上手投げ。得意の形ではなかったが「絶対勝つという気持ちで、結果は自ずとついてくる」と執念で大きな白星をつかみ取った。
花道を引き揚げてくると大号泣。声を震わせ「うれし涙です…やっと…」と感情を爆発させた。入門から6年。「苦しかったです。うまくいかなくて…自分も早く(関取に)上がらないといけないと思っていた」と振り返った。
兵庫・報徳学園中3年時に全国中学校選手権で準優勝。優勝した吉井虹(現幕下・吉井)とともに中卒で角界に飛び込んだ。吉井は16歳で、大辻は17歳で幕下昇進とスピード出世で注目を集めたが、その後は膝のケガもあって幕下上位で一進一退。関取昇進では高卒の伯桜鵬(21=伊勢ケ浜部屋)や琴栄峰(21=佐渡ケ嶽部屋)に先を越された。さらに若ノ勝(21=常盤山部屋)も来場所の昇進が確実に。「自分と吉井(の世代)と言われていたので、どっちかが早く上がらないとと思っていた」。対抗心を燃やして同学年ライバルたちにようやく追いつき、喜びがあふれた。