積極的な補強で知られるパドレスのAJプレラーGMだが、このオフの動きは静かさを保っている。25年の年俸総額を24年に近い1億6900万ドルまで削減しようとしているからと見られていたが、そうではないようだ。地元紙サンディエゴ・ユニオン・トリビューンがパドレスがリーグのトップ10付近の年俸総額を維持する計画だと報じている。
現在、パドレスの年俸総額は2億800万ドルでリーグ9位。しかしながら現状以上に年俸総額を引き上げることもできない。パドレスは捕手、先発ローテーション、左翼手、指名打者(DH)といったポジションで依然、補強する必要がある。
年俸総額を増やさずに穴を埋めるため、ルイス・アラエス、ディラン・シース、ロバート・スアレスといった主力選手に対する他球団のトレードオファーを聞いているという。例えばシースは年俸1375万ドル、アラエスは1400万ドルだが、トレードで選手を得るだけでなく、年俸削減で得られた資金をチームの他のニーズに回すことが可能になる。
加えて現在、チームのぜいたく税対象となる年俸総額は約2億4300万ドルで、基準額の2億4100万ドルをわずかに上回っているが、下回らせることも可能。浮いた資金で同等の年俸のFA選手を獲得しても、複数年など契約構造を工夫することで基準額を下回ることができる。
資金力豊富なドジャースとは対照的な細かい布をつなぎ合わせるパッチワークだが、プレラー編成本部長はこうしてドジャースに再び対抗できるチームを作ろうとしている。