広島・森翔平投手(27)がマツダスタジアムでの合同自主トレに合流。カブス・今永昇太投手(31)との新春自主トレでイズムを学び、課題とする脱力投法でも極意吸収に成功した。先発ローテーション定着を目指す4年目の今季。メジャー15勝左腕の助言を胸に2月1日のキャンプインからエンジン全開で競争を勝ち抜く。
年明けから16日までの2週間、高知県内で行われたカブス・今永の自主トレ。マツダスタジアムの屋内で汗を流した森は、2年連続での弟子入りを振り返り、独特の表現で収穫ありを強調した。
「しっかり、まぁ、ぼちぼち、ぼちぼちできた。投げていて、キャッチボールしていて感覚も良かった」
最も重視したのは投球時の脱力、裏返せば力を入れるタイミングだ。「どうしても一個早くなったり、タイミングが合わなくてバラバラになったり」。ボールに無駄なく力が伝わる投法を探るべく、キャッチボールから意識して繰り返した。
「力むことが安心感になったら良くない…と。力んで、安心している部分がやっぱりあるので。(力を)入れるところは入れ、抜くところは抜く」
肩や肘に余分な力を入れず、ゆったりしたフォームからスピンの利いた球を投げる今永の助言は核心を突く。遊び心を持って体を動かしながら、アレンジして体の鍛錬に結びつける発想の豊かさにも凄みを感じたという。
「いい意味で、ふざけている時の今永昇太は凄い。このメニューだけど、こうした方がいいんじゃないか…とか常に考えている」
昨季144キロだった直球の平均球速を「145キロは欲しい」と、12月は筋力トレーニングに励み、出力を上げるための土台をつくった。そこにプラスされた今永イズム。スロースターターの返上を期し、開幕ローテーション入りを目指す左腕にとっては百人力だ。
「2月1日からしっかり入るつもり。ブルペンには全然入れる」
21年ドラフト2位で入団して4年目。先発枠争いを勝ち抜き、今季こそ殻を破る。