新たに得た知見を引き出しに、打撃開眼をもくろむ。阪神・井上が、昨年に引き続き参加したDeNA・牧との合同自主トレで、カナダの脳神経外科医、W・G・ペンフィールド氏が発表した「ホムンクルス」を用いて学習したと明かした。
「ホムンクルス」とは、同氏の研究に基づき、感覚機能、運動機能で脳が占める体積の割合を人型に置換したもの。動かした際、関わる神経細胞が多い手や口、舌は大きい一方、逆に少ない足や胴体は細い。サイズがチグハグの奇妙な模型に、進化のカギが潜む。
「足や胴体は細いので、普段から意識して使うことで(手との)連動性も生まれる」
より神経をとがらせたのが、打撃の軸足となる右足だ。井上は「踏み方、踏ん張り方、着き方。どこに力を入れたらいいのかも含め、ランニングから意識しつつ、打撃や守備の切り返しにもつなげた」と力説する。「ホムンクルス」では“重要度”が低い足裏から見直し。昨年に続き、体の骨格模型を使用した座学にも全力投球したことで、確かな“研究結果”も手にした。
「今年、体の使い方とか上手になったと言われた中で“こうしたら良くなる”と分かった。股関節の動きも、今までとは違う方向に力を入れた方が、実はいい、とか。どっちが力が入りやすいとか、考えながらやった」
頭と体を徹底的にいじめ抜き、骨のある23歳に生まれ変わった。まもなく球春到来。開幕1軍を目指し、宜野座のフィールドで快音を連発する。 (八木 勇磨)
○…井上が甲子園球場で大阪国税局の「スマホで確定申告体験会」に参加し、「e―Tax(電子申告)」をPRした。「誰でも簡単にできる、便利なシステム」と宣伝した若虎は、スマートフォンで確定申告ができる「e―Tax」を初体験。担当者の指示に従い、源泉徴収票の写真撮影や項目入力などを手際よく行った。「いつも使っているスマホで入力するだけ。打って、一塁ベースまで走るくらい簡単」と野球にたとえてPRした。