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藤井王将 連勝発進から一夜明け おみくじは「凶後大吉」 王将4連覇&8冠復帰へ吉兆

スポニチアネックス 2025年1月28日 5時31分

 将棋の藤井聡太王将(22)=7冠=が挑戦者に永瀬拓矢九段(32)を迎えるALSOK杯第74期王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)で連勝発進した第2局から一夜明けた27日、対局会場の京都・伏見稲荷大社で本紙恒例の勝者の記念撮影に臨んだ。宮大工に扮して名所「千本鳥居」の塗り直しを疑似体験。直後に引いたおみくじは「凶後大吉」で、王将4連覇、そして8冠復帰への吉兆と受け取った。

 「立つ鳥跡を濁さず」とばかり、藤井が宮大工のいでたちで現れた。伏見稲荷大社の社紋入りヘルメットをかぶり、手にはハケ。「お世話になった伏見稲荷大社のために何かできたらと思った」。千本鳥居は塗り替えをしないため、顔料は付けず修復作業を疑似体験した。

 23年10月、史上初の全8冠独占を達成した王座戦第4局を含め、京都対局8連勝を果たした藤井。千本鳥居は江戸時代以降、願い事が「通った」感謝、もしくは「通るように」と願う人々による奉納が相次ぎ、出来上がった鳥居の連なり。「壮観。圧倒される」と語った光景が長く保全されることを願った。

 その後、おみくじを引いた。「凶後大吉」。まず視界へ飛び込んだ「凶」に焦った。しかし「後大吉」。「ドキッとしてホッとした。“勝負事 しあはせ良し”ともあった。そこが一番大事」と吉兆と受け止めた。

 2月5、6日、東京都立川市の「オーベルジュ ときと」での第3局を前にした同2日、高知市で棋王戦第1局を指す。タイトル初挑戦となる増田康宏八段(27)を迎え撃つ、冬のダブルタイトル戦が本格スタートする。藤井がデビュー以来の29連勝目を挙げた相手であり、一昨年度の朝日杯での対戦は名局賞特別賞に選ばれた熱戦だった。

 藤井は昨年6月に全8冠独占が崩れる叡王を失冠。その後、棋聖、王位、王座、竜王を防衛した。王将戦も連勝発進し、叡王戦の挑戦者争いでは本戦1回戦を突破。伊藤匠叡王(22)への挑戦権獲得まであと3勝とし、8冠復帰ムードは高まりつつある。

 そのためにも王将戦第3局で4連覇へ王手をかけたい。「後手番で苦戦することが多い。形勢を保ったまま、中終盤の難しい将棋に持ち込めるようにしたい」。絶対王者に慢心はなかった。(筒崎 嘉一)

 ≪長い待ち時間で発揮される“特性”≫藤井は第2局で2日制先手番での連勝を32まで伸ばした。21年6月の王位戦第1局以来3年半負けがない。対局中の読みの量で抜きんでるその特性が、8時間対局でより発揮される。藤井は「それは知らなかった。後手番での勝率は課題」とする一方「序盤でどういう展開になるかは事前に想定できない。時間があれば、落ち着いて対応を考えられる」。持ち時間が長い方がより、対戦相手の準備を打開できると認めた。

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