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会見一夜明け フジHD株価なぜか上昇 識者解説「今、上がっているから大丈夫とはなりません」

スポニチアネックス 2025年1月28日 14時39分

 経済評論家の加谷珪一氏が28日、TBS系「ひるおび」(月~金曜前10・25)に生出演。27日に開かれたフジテレビの記者会見を受けて、同局の株価の動きを解説した。

 元タレント中居正広氏の女性トラブルに社員が関与したと報じられている問題などについて、同局は2度目の会見を開催。10時間を超える長丁場の会見では、27日付で辞任した港浩一前社長らが出席し、経営陣の責任を認め謝罪した。また会見前には港氏のほか、嘉納修治氏が会長を辞任すると発表。清水賢治氏が28日付で新社長に就任する人事を発表した。

 会見から一夜明け、同局の親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株価は、この日午前の終値が2005円だった。会見開始前の27日終値が1975円だったことから、わずかに上げた。限定的な条件の下で会見が行われた17日の終値が1690円で、問題の中でも株価は上昇傾向にある。

 これについて加谷氏は「不思議ではあるんですけど、株式市場って期待で動くんですよね。現状よりも」と、株価の性質について解説。「まだ現状ではどうなるか分からないけど、フジは変わってくれるんじゃないかという期待感。今のうちに買っておけば、来年、再来年とかに正常化すればもっと株価が上がるんじゃないかと読む人がいるので、それを期待して買っているというのが一つ」とした。

 大株主の米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」からの刷新提案への期待も含んでいるという。「総会とかでダルトンのような大株主が抜本的な経営体制の刷新の提案をするんじゃないかという期待もあるわけです」と解説。「フジ側はそういう期待、要望、要求が市場から出ているんだと十分、考えた上で、第三者委員会の結論をもとに、これからどういう経営体制でやりますというのをちゃんと説明できないと、この株価は幻になってしまう可能性が十分にある」と警鐘を鳴らした。

 もう一つの理由として、株主総会を挙げた。「フジテレビの単元株は100株なので、100株を持っていると、株主総会に出席して、質問したりできる。今回の会見じゃないですけど、総会に行って、6月におそらく開催されると思うんですけど、その場に行っていろいろ質問したいとか、その様子を見たいという株主さんとか投資家さんがいっぱいいると思う」と、投資家の注目を浴びている銘柄であることを指摘。「そういう買いが集中して上がっているという2つの面があると思う」と推測した。一方で、「今、上がっているから大丈夫だということには、おそらくなりません。半分半分だと思った方がいいと思う」とクギを刺した。

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