元衆院議員の金子恵美氏(46)が、28日放送の文化放送「金子恵美のPoint Zero」(後8・00)に出演し、大物政治家たちの意外な一面について語った。
衆院議員を2期、務め、19年に政治家を引退。現在はコメンテーターなど幅広く活動している。この番組で初めてラジオパーソナリティーに挑戦した。
政治家時代には多くの大物政治家と関わった。中でも印象深いのは22年に死去した安倍晋三元首相だという。衆院選に初当選した12年、第2次安倍内閣が発足。「安倍さんという人は、政治家として非常に近く、大きな存在だった」と明かした。安倍氏の印象として「強権を発するようなイメージがある人もいると。ワンマンなんじゃないかと私の周りのママとかはよくそう言っていた」と先入観があることを明かしつつ、「意外とそうじゃなくて、協調性というか、周りに配慮する人であったと思っています」と、自分から見た実像を明かした。
「話していてもユーモアがある人ですし、飲んでいても人を笑わせてくれる。人間的にも非常に魅力的だなと思っていたのと同時に、リーダーとしてもリーダーシップを発揮のしかたが、これは人が付いていくな、そして人を使うのがうまいなと思った」
専門性のあるスタッフには、仕事を任せることが多かったという。「投げるというわけじゃなくて、任せる。全部任せるんじゃなくて、“自分はこう思うけど”ってヒント与えつつ、任せるということをできる人だった」と回顧。「任せられた人は、任せてもらった、信頼してもらったから、成果を出そう、結果を出そうと一生懸命に頑張る。これがいい相乗効果になった」とも話した。
やりがいを与えられた議員たちの存在で周囲には活気があったといい、「任せられたスタッフも気持ち良く仕事をしているので、笑顔があふれていたなって、現場が」と明かした。
安倍氏の長期政権の後に首相になった菅義偉氏は、「対照的」だったという。「任せるよりも、自分が率先してやってしまう。やれてしまう。あるいは、全部が気になるから、全部を意識されてしまって、任されていないということよりも、官僚もビクビクしていたところもあったと思う。人事を握っていたというのが、官房長官の時にあったので」。周囲は緊張感にあふれていたといい、「緊張感みたいなのがそのまま、官邸内に張り詰めていた」と明かした。
議員当時は二階派で、政界を引退した二階俊博氏の下にいた金子氏。「皆さん、昭和の悪いことをしていそうな政治家って思っているかもしれないですが」と笑いつつ、「政治とカネの問題が問われたところもあるので、その印象ももちろんあると思う」と話した。
その上で「人間的にはとてもかわいい方で」と、意外な印象を明かした。「だから二階派はどんどんどんどん大きくなって、人が集まって、派閥が大きくなっていったというのは、何となく二階さんというのは、支えたくなる人なんです」。さらに「本当に仕事が早くて」とも明かした。幹事長時代には、「幹事長室に来て、“地元の問題があったら相談に乗るから、アポイントなんか取らずにすぐ来い”って、すごく懐の深い、大きい人だった」とも話していたという。
困り事を相談すると、すぐに動いてくれたというのが二階氏。「その場ですぐ電話して、官僚に“うちの若いのが困っているから、力になってくれ”と、その場ですぐ仕事をする姿を見せてくれるので、“こんなにすぐ仕事をしてくれたんだったら、この人のためにも仕事をしよう”って気持ちに持っていかせるプロだったと思う」と振り返った。