キャスター大越健介氏(63)が8日、テレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜後9・54)に生出演し、27日に開かれたフジテレビの記者会見について私見を語った。
元タレント中居正広氏(52)の女性トラブルに関連して、同局は2度目の会見を開催。同日付で辞任した港浩一前社長らが出席し、経営陣の責任を認め謝罪した。また会見前には嘉納修治氏も会長を辞任すると発表。清水賢治氏が新社長に就任する人事を発表した。
10時間にも及ぶ会見では、コンプライアンス委員会にも内密で事態の解決に当たるなど、企業ガバナンスの機能不全ぶりが浮き彫りになった。大越氏は「異例を超えて異様ともいえる長さになったのは、フジテレビが言う人権意識の不足がもたらした具体的な影響や、最高実力者である日枝相談役の不在について、説得力のある答えがなかったこと。そもそも1回目の閉鎖的な会見から続く、フジテレビ側の仕切りのまずさが挙げられる」と断じた。
一方で、質問者側の問題も指摘した。質疑応答では、一部で報じられた関係者を実名で挙げて質問するなど、2次被害の可能性に無頓着な記者も。また、当事者間での問題の認識の違いをめぐり、質疑応答が30分以上も中断し、経営陣が怒号で問い詰められる場面もあった。
大越氏は「自説を長々と述べたり、野次を飛ばしたり、感情的な発言を繰り返す人がいたのは事実で、最後は会見の場が消耗戦のようになってしまったのは残念でした」と失望感をあらわに。「記者会見も取材の場である以上、たとえ批判の対象であっても、取材相手には一定のリスペクトを払うのが、取材者としてのマナーだと私は思います」と述べた。