高卒4年目の阪神・前川が、左翼に加えて一塁を守る準備も進めていることを明かした。
「本格的にやることはないと思いますけど、何か言われた時に準備だけはしておこうと思って」。21日に藤川監督が「複数ポジションにトライして」と方針を打ち出す前、昨年11月の時点で用具提供を受けるSSK社にファーストミットを発注。黒基調にオレンジも入るミットの親指部分には「前川右京」と刺しゅうが施され、26日に手元に届いた。
一塁手用ミットの作製を前川が依頼するのは智弁学園時代の1年秋以来。小1時にソフトボールを始めて最初に守ったのは一塁だった。縁のあるポジションは、昨年の秋季キャンプ中にも複数回練習は行った。現時点では左翼のレギュラー候補のため、本格挑戦という段階ではないとみられる。それでも、「どこでも試合に出られるなら必死に頑張ります」と頼もしい。キャリアを重ねた後に選択肢を広げる形になれば、前川にもチームにもプラスといえる。
29日からの先乗り自主トレのために沖縄入りした21歳。「やることは去年同様、本当に一からのスタートなので。その辺も変わることはない。一からステップアップして信頼を得られるように結果を残したい」と力を込めた。(石崎 祥平)