不安と、悪夢を一掃する一振りだった。日本ハム・清宮幸が沖縄・名護での先乗り自主トレに合流。左手負傷後初の屋外フリー打撃に臨み、2セット目の6スイング目に、バックスクリーン右へ推定120メートルの柵越えを放った。2年ぶりのキャンプ1軍スタートへ猛烈にアピールした。
「ちょっと変な感覚はありましたね。ケガしてから全然(屋外で)打っていなかったので。まあ、距離感なのかなと思っているんですけどね」
今月6日から大分県で自主トレを行っていたが、左手を負傷したことで最終日を待たず20日に帰京。病院での検査結果次第で春季キャンプの1、2軍の振り分けを再考する見通しだったが、負傷による影響もなく「大丈夫です!」と強調した。この日は三塁でノックを受けるなど、守備面でも不安はなかった。
1年前の昨年1月29日、先乗り自主トレ中に足を滑らせて左足首を捻挫。キャンプはリハビリに費やし、開幕2軍スタートと出遅れた。あの負傷以来となる名護の球場に足を踏み入れ「やっぱ(脳裏を)よぎったっす」と振り返るも、「いつも通り楽しくできた」と悪夢も払拭した。
「やっぱり開幕からチームのため、力になりたいと思っている」。今年もキャンプイン直前に一頓挫はあったが、もう不安は一切ない。入団から期待を集め続けてプロ8年目。今年こそ開幕ダッシュから絶対的な主砲としての君臨へ、本格覚醒への準備は整った。 (清藤 駿太)