経済アナリストの森永卓郎(もりなが・たくろう)さんの長男で経済アナリストの森永康平氏(39)が29日、当初の予定通り、文化放送「おはよう寺ちゃん」(月~金曜前5時)に出演した。
がんで闘病中だった森永卓郎さんは28日、原発不明がんのため午後1時33分に67歳で死去した。番組の水曜日コメンテーター・康平氏は翌日朝にラジオ生出演。「スタッフの方からも事態が事態なので休んでください、という言葉を頂いていたんですが、親父も実は亡くなる数時間前まで、隣の局ですけど電話で出ようとしていたぐらいなので、それを見ている立場からすると“辛いから出ません”というのもないな」と、出演した理由を説明。「冒頭で触れないのはあまりにも不自然なので」と、番組スタッフにお願いして父の逝去を伝えた。悲しみをこらえながらも、努めて明るく振舞い、しっかりとした口調で話した。
その後、番組内では卓郎さんの闘病の様子も告白。リスナーから「闘病する姿に元気をいただきました」という話が出て、康平氏は「僕も治療や体調は大っぴらにしない方がいいのかなと思っていたんですが、実際にガンで闘病している方も多くいるので、そういう人達が、父親がそういう状況でも仕事をしているのを聞くと(よかった)」と闘病の様子を公開したことについて本音を明かした。
卓郎さんは愛煙家で、最後まで喫煙はやめなかったという。康平氏は「色々見ていて思うんですが、我慢してやりたいことをやらずに死ぬぐらいなら、その結果、早く死んでもいいのかな、という気持ちに、僕も母親もなっていた。最後の方は好きにしたら、という感じでした」と回想。好きなように生きた父を思った。
さらに、卓郎さんについては「ラジオ好きで、リスナーさんとの関係は気にしていた。だからこそ、体調が悪くても全部話した」とラジオなどの出演を続けた意味も明かし、最後まで執筆活動を続けたことには「ちょうど全部、書き終わって。それがある意味で死期を早めたのかも」と、少し寂しそうに語っていた。
康平氏は前日、自身のXで父の死を伝える文書を添え、「まだ気持ちの整理が出来ていませんし、暫くは長男として母を支えつつ、様々な手続きなどの対応もしなくてはいけないのですが、時間が出来た段階で、余命宣告をされてから今日に至るまでの闘病の様子や、父の最期の様子なども、皆様にご報告させていただければと思います。それまでは温かく見守っていただけますと幸いです」と呼びかけていた。