日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で大相撲春場所(3月9日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議と臨時理事会を開き、豊昇龍(25=立浪部屋)の第74代横綱昇進を満場一致で正式に決めた。
新横綱の誕生は2021年名古屋場所後の照ノ富士以来で、外国出身では8人目。モンゴル出身は叔父の朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士に次いで6人目の最高位となった。初土俵から所要42場所での昇進は年6場所制となった1958年以降、初土俵で6番目のスピード昇進。
相撲協会は台東区の立浪部屋に使者の境川理事(元小結・両国)と審判部の大鳴戸親方(元大関・出島)を派遣し、昇進伝達式を実施。豊昇龍は「謹んでお受けいたします。横綱の名を汚さぬよう気魄一閃(きはくいっせん)の精神で精進いたします」と口上を述べた。23年7月の大関昇進時の口上でも「気魄一閃」を使用。この四字熟語には「どんなことにも力強く立ち向かう」という意味が込められていた。
約3年半も一人横綱だった照ノ富士が初場所中に引退。32年ぶりの横綱空位の危機だったが、豊昇龍は初場所で12勝で並んだ王鵬、金峰山との巴戦を制し2度目の優勝を果たした。春場所は1横綱2大関となる。