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日翔志が8場所ぶり関取復帰 新十両場所で大ケガ「そういう運命なのかな…」苦難続きも不屈の精神

スポニチアネックス 2025年1月29日 13時15分

 日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で春場所(3月9日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、若ノ勝(21=常盤山部屋)、草野(23=伊勢ケ浜部屋)、大辻(21=高田川部屋)の3人の新十両昇進が決まったと発表した。また、日翔志(27=追手風部屋)と風賢央(25=押尾川部屋)の再十両昇進も決まった。

 日翔志は8場所ぶり、風賢央は5場所ぶり。それぞれ新十両場所以来の関取復帰となる。日翔志は西幕下4枚目で6勝1敗の好成績。関取復帰を確実とした取組後には「長かったですね…キツかったです」と感慨深げに話していた。

 埼玉栄高―日大―日大事業部を経て23歳で追手風部屋に入門した日翔志は、入門半年後に脊髄損傷の大ケガ。約2カ月の寝たきり生活から始まった壮絶なリハビリ、さらにその間に父が亡くなるという不幸も乗り越えて一昨年の九州場所で新十両昇進を果たした。しかし、念願かなった新十両場所の2日目に今度は右足首の靱帯損傷と剥離骨折のケガ。強行出場で2つの白星をつかみ取るも、2勝13敗で大きく跳ね返された。幕下に転落した今年の初場所、右足首が完治していない中で今度は右上腕三頭筋を断裂。「ケガがいろいろ重なって諦めそうな時もあった」。度重なるケガにも負けず、もう一度関取へという思いは持ち続けた。

 復活への原動力はやはり、不完全燃焼に終わった新十両場所での悔しい思い。「苦労してやっと新十両で、またケガして…そういう運命なのかなと諦めそうにもなった。でも、自分で言うのもアレですけどアマチュア時代から無名ではなかったので、(関取在位)1場所で終わるわけにはいかなかった」。一昨年の九州場所後には「十両に上がれなかったという気持ちでまた一から」と誓っており、仕切り直して再び関取の座を目指してきた。

 「まだ万全な体で15日間相撲を取れていない」。首、足首、上腕と度重なるケガを乗り越え、満を持して再び十両の土俵へ。関取として春を迎える不屈の27歳、ここから新たな挑戦が始まる。

 ◇日翔志 英忠(ひとし・ひでただ)本名=沢田日登志。1997年(平9)8月14日生まれ、東京都立川市出身の27歳。立川練成館で5歳から相撲を始め、新潟・能生中3年時に全中3位。埼玉栄高3年時に全国選抜宇佐大会3位。日大3年時に全国学生体重別大会無差別級準優勝。4年時に全国学生体重別大会無差別級優勝。卒業後は日大事業部に就職。1年間の社会人生活を経て追手風部屋に入門。2021年夏場所で「沢田翔」のしこ名で初土俵。翌名古屋場所で「日翔志」に改名。翌秋場所で序二段優勝。その後、首の大ケガで3場所連続休場。2022年夏場所で序ノ口から復帰。翌名古屋場所で序二段優勝。同年九州場所で三段目優勝。2023年秋場所で幕下優勝。翌九州場所で新十両昇進。同場所で右足首を負傷し、2勝13敗で幕下転落。身長1メートル81、体重155キロ。

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