歌手の元ちとせ(46)が29日、フジテレビ「ぽかぽか」(月~金曜前11・50)にゲストとして生出演。数々の偶然が重なって実現したデビューへの道を振り返った。
奄美大島出身の元は、幼少期より地元では注目されていたが、高校3年時に奄美民謡大賞を受賞したことにより、名前は島の外にも広く知れ渡った。ニュースがテレビで取り上げられたことで「レコード会社の方から何社か、連絡はあった」と言う。
東京でのデビューを勧める連絡を多数、受けたが「1社だけその当時、東京からウチの実家まで片道8時間かかっていたと思うんですけど、それを超えてきていただいて」と熱心な会社があった。しかし母親は「東京から歌手になりませんかって、そんな怪しい話ないから、帰す」と警戒心をあらわに。「お刺身だけ出して、30分で帰したんですね」と一旦は、デビューの話は消えた。
しかし偶然がデビューへの道を再び、整えることになる。デビュー直前「大阪で美容師していたんですけど、美容師を辞めるか辞めないか迷っていた時に、奄美に1回戻ろうと思って荷造りしていたら、当時のその方の名刺が落ちて来て、これって本当にこの人だったのか、この会社って存在するのかなって試してみたくなって」と振り返る。
興味本位の連絡だっただけに「2年も経っていたので“もう遅い”って言われる」と思った。しかし、連絡をすると「本当にその方が電話に出たので、これは嘘つけないというか、調べたかったって言ったら、怒られそうだから“音楽やっぱりやりたい”って」と伝えたという。
先方の返事は予想外の「今すぐ来い」だった。「覚えてくれていて、これは島に帰る前に何か大きい勝負を、自分の可能性を見つけたいなって思って」。両親を説得し、1998年に上京。2002年「ワダツミの木」でメジャーデビューを果たし、一気に名を全国に広めることになる。