元放送作家・鈴木おさむ氏(52)が、30日までに更新されたSHOWROOMのYouTubeチャンネルにゲスト出演。テレビにおけるコンプライアンスの変遷について、自身の経験を明かした。
19歳で放送作家としての仕事をスタートさせ、「SMAP×SMAP」(フジテレビ)をはじめとした人気番組を数多く手が得てきた鈴木氏。24年3月31日をもって放送作家、脚本家としての仕事を廃業していた。
この日は、「大変な時期に来てしまいました」とあいさつし、元タレントの中居正広氏の女性トラブルを巡るフジテレビを中心とした昨今のテレビ業界について思いを馳せ、これまでのテレビとの関わりを振り返った。
自身がテレビと関わるようになった80~90年代は、「正直その頃って、テレビもラジオもモラルが違うというか、パワハラ・モラハラが当たり前な社会だった。暴力上等、げんこつ・殴る、めちゃくちゃ当たり前です」と回顧。だが「どっかに愛が合って、育てようとしてくれてた」といい、「僕は受け止める気満々でしたけど、やっぱ下の子たちは無理でしたね」と吐露した。
そんな中、鈴木氏は「とにかく大人に認められようと必死だったので、いろんな無茶ぶりに応えてきた」という。そんな風潮も、時代とともに少しずつ方向転換されてきたと経緯を明かした。
その中で、「ひとつ後悔というか、葛藤したことがある」と告白。それは、自身が関与していたフジテレビのバラエティー番組の中で、ある芸人の結婚式に、本人に内緒で突撃するというもの。その頃は「出演者はプライベートなんかなくて当たり前」という時代で、「結婚するなら、すべてをネタにしなきゃいけない」という風潮だったといい、結婚式に乱入しその様子を放送していた。
だが、鈴木氏は「親も出ているんですよね…やっぱり親がいる前で…みんなの前で恥をかかされたんじゃないかと、俺はずっとそれを思ってて」と、ご両親も待ち望んでいた晴れ舞台を台無しにしてしまったのではないかと、後悔を口に。その芸人を愛情をもって起用していた他局は、フジの放送を見て「めちゃくちゃ怒っていた」ほどだという。
「やっぱ、みんなが“お笑い病”だった。すべてをネタにしなきゃいけないと思ってるから、面白くしなきゃって。俺も思ってた」と告白。「ちょっとおかしかったですね。彼女ができたらドッキリされて当たり前みたいな。引っ越したら住所教えろって。僕もがっつり洗脳されてました」と、当時の思いを打ち明けた。