レスリング日本代表は30日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで今月27日から行われている全日本合宿を報道陣に公開した。
パリ五輪女子53キロ級金メダルの藤波朱理（日体大3年）は「パリ五輪は過去のことになって、新しい戦いが始まっている」と気持ちを新たにした。この日の練習では、パリ五輪女子62キロ級金メダルの元木咲良（22＝育英大助手）や同68キロ級銅メダルの尾崎野乃香（慶大4年）ら自身より重い階級のメダリストたちとも激しいスパーリングを披露。「普段やっていることを試して、課題を見つけたいという思いで取り組んでいる」と、ハイレベルの選手たちが集まる全日本合宿ならではの狙いを明かした。
五輪4連覇の伊調馨さん（40）とロンドン五輪48キロ級金メダリストの小原日登美さん（44）が女子日本代表コーチに加わり、2028年のロス五輪に向けた新体制がスタート。「自分が小さい時から世界で活躍していた選手がコーチとして入ってくれて心強い。女性ということで何でも話しやすい存在で心強い」と新体制を歓迎した。
昨年のパリ五輪では、藤波ら男女計8人が金メダル獲得という日本史上最高の成績。井上謙二強化本部長からは練習前に「満足すると衰退の始まり」と全体向けの訓示があった。藤波はこれを受け「本当にそのとおり。日々進化することが勝利につながる」と気持ちを高めた。