米国の首都ワシントン近郊で29日(日本時間30日)、アメリカン航空の旅客機と米軍のヘリコプターが空中衝突した事故で、旅客機に米国人、ロシア人のフィギュアスケート選手が搭乗していたと、複数の米メディアが報じた。
スポーツ専門局ESPN(電子版)はこの日、米国人のフィギュアスケート選手やコーチ、家族らが旅客機に乗っていたと、米国フィギュアスケート協会の話として伝えた。旅客機はカンザス州ウィチタ発ワシントン行きで、一行は全米フィギュアスケート選手権へ向けたウィチタでの合宿から戻る予定だった。
またAP通信などが報じたところでは、ロシアのペスコフ報道官がこの日、94年に千葉県で開催された世界選手権ペアで金メダルを獲得したワディム・ナウモフ(55)さん、エフゲーニヤ・シシコワさん(52)が搭乗していたことを明らかにした。「残念ながら、この悲しい情報が確認されています」などと述べた。
ナウモフさん、シシコワさんは夫婦ペアとして活躍し、95年の世界選手権でも銀メダル、1995~96年シーズンのグランプリファイナルで金メダルを獲得した。また五輪には92年リレハンメル、94年アルベールビル大会と2大会に出場。引退後は米国でコーチをしている。
米メディアによると、旅客機には乗客60人、乗員4人が搭乗。一方、ヘリコプターには3人が乗っていた。消防当局によると、機体はともに市内を流れるポトマック川に墜落した。生存者についての公式発表はなく、少なくとも18人の遺体が発見されたとの報道もある。