【新潟・新戦力紹介(9)】18歳で海外に飛び出し、挫折も味わったFW若月大和(23)は、J1で輝くために新潟に加入した。「湘南で結果は出せなかった。もう一度J1に呼んでくれたクラブに感謝をピッチで表現したい」。昨季J2山口でマークした7ゴール、4アシストの成績超えを自分に課している。
19年のU―17W杯でオランダから2得点。海外から注目を浴び、高校を卒業する前の20年1月に、加入が内定していた湘南からFCシオン(スイス)に期限付き移籍した。「活躍して海外でステップアップするのが目標」だったが、新型コロナウイルスの影響で加入直後にチーム活動がストップ。見知らぬ土地で孤独に約3カ月間を過ごした。
活動再開後も試練の連続だった。在籍した2年で監督交代は5回。そのたびに「18、19歳の日本人だからマイナスのスタート」を繰り返したが、決してめげずアピールし続けた。
22年に復帰した湘南で出場機会を得られなくても「海外で何試合か出ていても日本では無名。試合に出て自分の価値を見いださないといけない」と前を向き、J2山口に移籍を決断。自慢のスピードとドリブルで結果を出し、その選択を正解にしてみせた。「海外でメンタル的に鍛えられた。新潟に来られたのも、そういう経験が生きたのもある」と力を込める。
アウトドア好きで、新潟では釣りとゴルフとともにキャンプが楽しみの一つ。「山とテントを立てられるエリアさえあればいい」という本格派は、自然を満喫しながらピッチで大暴れする。
◇若月 大和(わかつき・やまと)2002年(平14)1月18日生まれ、群馬県出身の23歳。小学1年からサッカーを始め、前橋SCJrユース―桐生第一。FCシオン(スイス)、湘南を経て昨季は山口でプレー。J1通算9試合出場、J2通算34試合出場、7得点。1メートル70、65キロ。利き足は右。背番号は18。