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阪神の新外国人右腕・デュープ ラーメン愛で歩むメッセンジャーの道 セ界の猛者を面食らわせる

スポニチアネックス 2025年1月31日 5時17分

 阪神の新外国人、ジョン・デュプランティエ投手(30=前ブルワーズ傘下3A)が、30日までに兵庫県西宮市内で入団会見に臨んだ。チームカラーの黄色いネクタイを着用し「伝統ある球団なので幸せ」と感激。メジャー通算19試合で1勝4敗1セーブながら、マイナー通算で奪三振率10・45を誇った最速157キロ右腕。「ラーメンが好きなので、早く食べてみたい」と心を躍らせ、同じくラーメン好きで知られた伝説の助っ人投手、ランディ・メッセンジャー級の活躍を期した。

 大好物の麺を食らい、セ界の猛者には面食らわせる。デュプランティエは米国時代、本土で日本人オーナーが展開する「陣屋ラーメン」に足しげく通った。「いつもGoogleで調べて、近くの店に行った」と回想し「ずっと“ラーメンを食べに行こう”と話していた」と、ビーズリーとは食べ歩きも約束。豪快に麺をすすり、スープを飲み干す。至高の一杯が、サクセスロードを走るガソリンに変わる。

 「米国にいる時は豚骨を食べていたが、日本にはいろんなラーメンがあると聞いた。ちょっと味には厳しいが、トライしてみたい」

 舌が肥えたグルメな新戦力が目指すべき理想型――。それはメッセンジャーだ。10~19年の10シーズン在籍し、13、14年はリーグ奪三振王。15年からは5年連続で開幕投手も務め、通算1475個の「K」を刻んだ。遠征先に行きつけの店を持ち、甲子園では自身プロデュースの一杯が販売され、先発前日には必ず食すほどラーメンを愛した一方、献身的な投球姿勢は虎党からこよなく愛された。ラーメンフリークのレジェンドに勝るとも劣らない「ラーメン×ドクターK」の系譜をそのまま継ぐ覚悟だ。

 「年を重ねるにつれ、相手を研究することが大切だとわかった。打者をしっかり研究し、スイングやコンタクトを見ながら、打者と対戦していきたい」

 愛称が「デュープ」の背番号20は、本職もおろそかにしない。最速157キロの直球と、変化量が多く、決め球にも使う自慢のカーブに加え、スライダー、チェンジアップにカットボールと多彩な武器を携える。藤川監督から託される役割は先発。門別ら若虎や、逆襲を期す面々との熾烈(しれつ)な開幕ローテーション争いを早くも歓迎する。

 「(自分は)良い真っすぐを持っているし、選手として争うことが好きなタイプなので、ゲームで投げることを楽しみにしている」

 言葉の節々に優等生ぶりがにじみ出る「デュープ」。昨季所属したメッツ傘下3Aのチームメート、藤浪からも「自分自身を大切にすること」と日本での成功につながるヒントも得た。襲い来る日本の強打者にもひるまない。ラーメンは腹八分目で良くても、白星と奪三振の数に「満腹」はない。 (八木 勇磨)

 ○…セ・リーグの外国人投手による最多奪三振タイトルは、ルイス(広=08、09年)、メッセンジャー(神=13、14年)、マイコラス(巨=17年)の3人。14年のメッセンジャーはリーグトップの奪三振率9・76で226個を奪い、同僚の2位・藤浪に54個差をつけて圧倒した。

 <ジョン・デュプランティエ アラカルト>

 ☆生まれ&サイズ 1994年7月11日生まれ、米デラウェア州出身の30歳。1メートル93、103キロ。右投げ左打ち。

 ☆文武両道 テキサス州のセブンレイクス高校で学業優秀者らが選ばれる「全米優等生協会」の会員になった。得意科目は数学で、難関のライス大出身。

 ☆大リーグで有望株 16年ドラフト3巡目(全体89番目)でダイヤモンドバックスと契約。19年4月1日のパドレス戦でメジャーデビュー。メジャー登板は21年が最後で、24年は主に3Aで22試合に登板。メジャー通算19試合1勝4敗1セーブ、防御率6.70。

 ☆球種 カーブ、スライダー、チェンジアップ、カットボール。

 ☆交遊 かつての同僚、元オリックスのアダム・ジョーンズ氏(現オリオールズGM付特別アドバイザー兼コミュニティーアンバサダー)から日本行きを勧められ興味を持つ。メッツ傘下3Aでは元阪神・藤浪(現マリナーズとマイナー契約)とチームメート。試合の雰囲気を楽しむよう助言をされた。

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