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田中美里 映画「美晴に傘を」で母親役を熱演「支え合える社会になれば」 自身の母に感謝の思いも

スポニチアネックス 2025年1月31日 11時5分

 女優の田中美里(47)が映画「美晴に傘を」(監督渋谷悠、公開中)で障がいを持つ娘を持つ母親役を熱演している。「人と違うことは、その人の個性や特徴。支え合える社会になれば」と呼びかけている。

 映画は北海道の小さな町が舞台。ケンカ別れをしたまま息子を亡くした父(升毅)のもとへ、その妻(田中)が二人の娘を連れて現れたところから物語が動いていく。

 「役の依頼をいただいた時、一緒に私の夫(劇中で)が生前に娘のために描いた絵本を受け取りました。娘に寄り添う内容に感激して、涙が止まらなかった。この絵本を『私の声で読みたい』と思いました」

 撮影をする前から、自身が母親として読み聞かせをする情景が浮かんだという田中。完成した作品には、その母性があふれ出ている。

 長女の美晴(日高麻鈴)は生活音などが、「声」として聞こえる障がいを持つ。成長していく中では、淡い初恋も経験。母として戸惑う場面もある。

 田中は石川県金沢市出身。オーディションを受けるため、バスで単身東京に向かう田中を、不安そうに見つめる母の姿がまぶたに浮かんだ。

 「早く大人になりたいと通帳を作ったり、引っ越し先も自分で決めたいと思っていました。心配する母を『手助けをして欲しくない』と突っぱねてしまったり。歳を重ねた今は、母を守ってあげなくてはと思うようになり、順繰りの不思議を感じています」

 反発した時期もあったが、信じ見守ってくれた母に感謝している。

 「かけっこはいつも周回遅れ。みんなが走り終わっても、一人で走っている子供でした。どうやってもみんな追いつけないというコンプレックスがあったけれど、母は『一人でニコニコして走っていたから、一等賞を獲ったようだっよ』ってポジティブに受け止めてくれた。トイレットペーパーの限界を知りたいと、芯になるまで紙を引っ張った時も叱らなかった。行動をプラスに考えてくれる母の朗らかさが、私の好奇心を育ててくれました」

 中高はミッション系の学校で学んだという。外国からの留学生や耳が不自由な児童もいた校内では「人と違うことは、その子の特徴・個性」と学んだといい「フォローが必要な時に、手を差し伸べ合える社会になれば」と思いを込めている。

 能登半島地震から1年。生まれた石川県を中心に発行されている地元紙・北國新聞でコラム「ゲベタのまあるい日々」の執筆を続けている。

 「友人から『あともうちょっとという所で、やる気や勇気をそがれるような災害が起こる』と聞きました。お芝居や、朗読など地元に寄り添えるような活動をしていきたい」と支え続けることを誓う。

 幼い頃の夢は「絵本作家だった」と明かし「小学校低学年の時に、紙芝居を作ったこともあるんです。温めているキャラクターもいるので、将来は絵本を書いてみたい」と目を輝かせた。

 ◇田中 美里(たなか・みさと)1977(昭52)年2月9日、石川県金沢市出身の47歳。97年にNHK連続テレビ小説「あぐり」のヒロインに抜てきされデビュー。主な出演作に映画「みすゞ」、「ゴジラ×メガギラスG消滅作戦」、テレビドラマ「WITH LOVE」など。韓流ブームを巻き起こした韓国ドラマ「冬のソナタ」ではヒロインのチェ・ジウの声の吹き替えを務めた。

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