JAPAN THEATER「SEIMEI」(2月19~24日、オリックス劇場)に出演する歌舞伎俳優の市川右團次(61)が31日、大阪市内で取材会に登場。「和楽のシンフォニーだけでなく洋楽も入った新しい、今までにないお芝居になると胸を膨らませています」と意気込みを語った。
陰陽師・安倍晴明の世界を新しいエンターテイメントとして舞台化した邦楽劇。安倍晴明役を市川團十郎(47)、四神・朱雀役を関西ジュニア「Lilかんさい」の嶋崎斗亜(21)が演じる。右團次は「東」を守る四神の1人・青龍の役。台本読みは2月4日に、稽古は6日スタートするが、すでに台本を渡されている。
「安倍晴明は霊力、知力に長けた英雄というイメージが強いが、今回は自然界との共存の中で揺れ動く人間代表を務める。(嶋崎)斗亜さんの朱雀が安倍晴明を裏切る形。私の青龍もその間で揺れ動き、晴明と戦うこともことも。最終的には自然界と人間がどのように共存していくかがテーマ。晴明も単なる英雄でなく、悩み、苦しむという経験をする。新たな晴明像を描くと聞いてます」と芝居の内容を説明。「単なるハッピーエンドでなく、これから先も考えていかなきゃいけないというのがこの作品のテーマ」と力説した。
今回主役の團十郎から「市川右團次を名乗ったらどうか?」との提案がキッカケで、17年に右近から三代目右團次を襲名した経緯も披露。また40歳の年齢差があり、初対面の嶋崎との共演については「彼の心中は計り知れないが、新しいものにしてくれると確信してます。フレッシュな人が演じることで、若いお客さんもたくさんくる」と大いに期待。「素直で純粋な人だと聞いてます。稽古に入ったらこうしたら、ああしたらと思ったことは伝える」とアドバイスをする構えだ。
「SEIMEI」は平安時代、天下が乱れるとのお告げを受けた安倍清明は、平安京の四方を守護する朱雀・青龍・白虎・玄武の四神を召喚し、都の結界を守るよう命じる。だが、朱雀が晴明を裏切り、都に侵入した第六天満王に追従して晴明討伐へ。窮地に追い込まれた晴明が世の安寧を取り戻せるかという物語。
大阪では全9公演。東京公演は3月1~23日、THEATER MILANO―ZA」で全30公演。