大相撲の第74代横綱に昇進した豊昇龍（25＝立浪部屋）が31日、東京都渋谷区の明治神宮で推挙式、奉納土俵入りに臨んだ。22年前に第68代横綱に昇進した叔父（おじ）で朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏（44）も緊急来日し、甥の勇姿を見守った。
豊昇龍は太刀持ちに平戸海（境川部屋）、露払いに明生（立浪部屋）を従え、叔父と同じ雲竜型の土俵入りを堂々と披露。静かな雰囲気で始まったが、土俵入りを披露するとファンから「よいしょー！」の声が掛かり、約3500人が詰めかけた会場からは大きな拍手が巻き起こった。
22年前の2003年1月31日、第68代横綱として3000人のファンの前で奉納土俵入りを行った朝青龍。この日は関係者席で見守り、豊昇龍の晴れ姿を誇らしげにスマホで撮影した。土俵入りを見届けると「うれしい。22年ぶり」と喜びを口にし、「自分の時は教えてくれる人がいなかった。横綱になったら2桁（優勝）。俺を超えてみろ」とハッパをかけた。
30日には土俵入りで使用する綱を作る「綱打ち」が行われ、完成後には所属する出羽海一門の武蔵川親方（元横綱・武蔵丸）の指導により、豊昇龍が雲竜型の土俵入りを練習。わずか15分で習得する離れ業を見せ「満点だね」と話していた。
▼明治神宮奉納土俵入り 新横綱が東京・明治神宮で日本相撲協会理事長から推挙状を授与され、最初の土俵入りを奉納する儀式。1951年に昇進した第41代横綱・千代の山のときから推挙式と土俵入りがともに明治神宮で行われるようになった。初めて一般のファンに晴れ姿を見せる場で注目も高い。最近は、水曜日の伝達式、木曜日の綱打ち、土俵入り稽古を経て金曜日に開催されている。94年に昇進した貴乃花は土曜日の奉納土俵入りだった。