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フジ「FNS歌謡祭 春」放送中止 4・9予定も 半世紀続く名物特番が…関係先に「今は企業体力がない」

スポニチアネックス 2025年1月31日 23時33分

 フジテレビが4月9日に予定していた同局を代表する音楽特番「FNS歌謡祭 春」の放送を中止したことが31日、分かった。スポニチ本紙の取材では、中居正広氏(52)の女性トラブル問題を巡って大幅減収となった中、制作費をかけられなくなったことが理由。実際、関係先には「今は企業体力がない」と説明している。

 同局はこの春に「アオハル(青春)ウイーク」と題した音楽番組をメインにした特番ウイークを計画。「FNS歌謡祭 春」はその目玉だった。

 FNS歌謡祭は1974年にスタート。毎年12月に放送され、年末の音楽特番として定着した。引責辞任した港浩一前社長(72)も02年から14年まで制作の責任者だった。12年からは「夏」にも放送され年2回に。「春」は16年から不定期放送で、今春は22年以来の予定だった。22年は、今回の騒動の渦中にある編成幹部も主要スタッフだった。

 約80社もの企業がCM放送を見合わせ、親会社のフジ・メディア・ホールディングス(HD)は30日、2025年3月期連結決算の業績予想を下方修正。フジの広告収入は従来見通しから233億円減少すると発表した。

 春版の制作にかかるコストは「5000万~7000万円ほどではないか。連続ドラマは1話3000万円以上とすると、1クールで3億円近くかかることを考えると、割安」(同局ドラマ制作関係者)という。ただ、コストだけが理由かというと「実は“アオハルウイーク”は港さんの肝いりで企画されたもので、その打ち出すカラーがスポンサーの賛同を得られないと判断したこともあると思います」(広告代理店関係者)と指摘する声もある。

 今回の中止を残念がる関係者も多い。FNS歌謡祭は9年前から春、夏、冬と3特番が放送されるようになった中、広告代理店関係者は「大物も多く出る冬版に比べると若手アーティストにも門戸が開放されていて、レコード会社にとっては売り出したいアーティストを受け入れてもらいやすかった。視聴者層も音楽好きが多く、反響もしっかり出て、音楽業界にとってありがたい番組だった」と話している。毎年7月上旬放送の夏版について、番組担当者は関係先に「こちらもできるかどうか…」と説明しているという。広告代理店関係者は「夏はぜひやってもらいたい。多くのフジ社員は一連の問題に全く関係がない。音楽ファンの視聴者も無関係。FNS歌謡祭がこれまで通り見られるように、経営陣の刷新が早期に進んでくれれば」と話している。

 同局は本紙に「改編の詳細についてはお答えしておりません」と答えた。

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