リーグ連覇と13年ぶりの日本一を狙う巨人・阿部慎之助監督(45)は31日、“鬼の目”キャンプを予告した。若手を中心にオフの自主トレの成果を厳しくチェックし、物足りないと判断した場合の入れ替えも明言。レギュラー争いもオープン戦まで見極める方針を示した。恒例の宮崎神宮を参拝するなどキャンプインへの準備を終えた。
阿部監督は日光のまぶしさに目を細めた。青空の下で首脳陣や選手らとともに宮崎神宮で必勝祈願。就任1年目で雨だった1年前から一転、今年は快晴。2年目のキャンプのテーマを問われて視線を鋭くした。
「とにかく見てるよ、みんなを。そういうキャンプにして、いろいろと考えようかなと。若い選手は特に質より量を求めて。やっていない子はファームに行ってもらう。自分がやったって言っても、こっちが見てやってなかったらね。厳しく見ていきたいと思います」
昨年11月の秋季練習最終日。若手に「毎日、不安に駆られろ。一瞬たりとも野球のことを忘れるな。今までで一番やったんだと思える自主トレにしてきてくれ。質なんかいらない、とにかく量だ。迷ったら、やれ!」と“宿題”を課していた。2カ月の答え合わせのため、キャンプを通して目を光らせる姿勢を強調した。
4年ぶりリーグ優勝した昨季はCSファイナルステージでDeNAに敗退。今季は連覇と12年以来13年ぶりの日本一が重大使命で、そのためにもチームの底上げは不可欠だ。“宿題”をサボったと判断した場合、入れ替えも辞さない。競争をあおり、チーム全体のレベルアップを図る。
激しいレギュラー争いにも期待した。岡本と吉川以外は流動的な状況。「明日からオープン戦まで見て考えようかな」と約2カ月に及ぶ競争を望んだ。夕方からは全体ミーティングで訓示。「“何が何でも勝つんだ”“何が何でも抑えるんだ”それをテーマに今年一年またやっていきたい。去年悔しい思いをした。必ずみんなでやり返してやろうじぇねえか!」。視線は頂点だけを見据えている。(青森 正宣)
≪ドラ1石塚「プロのスタート」≫ドラフト1位の石塚(花咲徳栄)は2軍で迎える初のキャンプを翌日に控え「プロ野球選手のスタートだと思う」と意気込んだ。宿舎近くの砂浜で素振りとダッシュに取り組むなど準備。「12年前にファンとして宮崎に来て、プロ野球選手はかっこいいと思った。今度は自分が子供たちの憧れになる選手となるように頑張りたい」と力強く誓った。