俳優の小栗旬(42)が社長を務める芸能事務所「トライストーン・エンタテイメント」、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、東宝、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)の4社による大型俳優オーディション「TREASURE HUNTING」の最終審査が1日、大阪市のUSJ内で行われた。応募総数8216人の頂点に立ったのは、高校2年生の雑賀天成さん(17)。選ばれた瞬間「えっ?」という声が聞こえてくるような表情を見せた。
雑賀さんは苦笑いを浮かべながらステージ中央へ歩を進めると「びっくりです。自分が選ばれるなんて1ミリも思っていなかった」と心境を明かした。
小学校1年から高校1年までサッカーに打ち込み、演技は未経験。オーディション開催を知った母のすすめで応募したものの「絶対受からないよ」と自信は全くなかった。
しかし最終審査では「運動神経が良くなるから」と、その母に物心が付く前からやらされていた“特技”が生きた。自己紹介で他のファイナリストが歌やダンスなどを披露する中で「無限にできる」と豪語し、三点倒立を披露。そのまま審査員の質問に回答した。「何か珍しいことをしたいな」とひねり出した妙技だった。
倒立開始から2分30秒後、トライストーンの山本又一朗会長に「永遠ってどれくらいなの?」と質問。自信たっぷりに見えた雑賀さんだったが「測ったことはないですけど、そろそろキツいです!」と素直に回答。会場からはこの日一番の笑いが起こった。
その後も見せ場は十分。特別審査員を務めた小栗に対し壇上から「おばあちゃんが小栗さんの大ファンなんです。あとで握手してほしい」とお願いすると会場はまたも大爆笑。物おじしない雑賀さんに圧倒されたか、小栗は「はい、後ほど握手させていただきます」と敬語で答えた。
その後の演技審査では、自身のピンマイクにだけ声が入らないトラブルにも見舞われたが、これも「緊張はしなかった。三点倒立でほぐれました」と、何事もなかったかのように演技をこなす強心臓ぶりを見せつけた。
憧れの俳優には「映画とかで面白い役をやっている。自分もはっちゃけるようなキャラ。面白くてみんなを笑わせられる俳優になりたい」と賀来賢人(35)を挙げた。これから進む俳優の道で、三点倒立時の視界のように、これまでと180度違う景色をつくり出していく。