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フジ AC減らして番組延ばす「いつかスポンサーに戻ってもらうために」 現場の“奇策”に経営陣は何思う

スポニチアネックス 2025年2月2日 4時12分

 フジテレビの番組からスポンサーが撤退しCM枠にACジャパンの広告が大量に流れる中、制作現場は少しでもACの本数を減らそうと、本編映像の時間を増やす編集作業に追われている。現場の社員は「こんな状況でも視聴者が少しでも楽しんでくれるよう、2月放送分から編集作業に没頭している」と明かした。

 ACの広告は、災害時などスポンサーが広告出稿を止めたい時に、それを埋めるためテレビ局側が判断して流すもの。今回は、中居正広氏(52)の女性トラブル問題を巡るフジの対応が問題視され、CMの差し止めが発生。フジは広告主にCM料金を返還すると発表している。代理店関係者は「空いた広告枠をどう扱うかはフジに判断が委ねられる」と解説する。

 何度もACが流れることで視聴者からは「同じ映像ばかりで見ていて気持ち悪くなる」などの声も上がっている。そんな中で制作現場はCM数を削るため、本編の放送時間を延ばす作業に着手。バラエティー番組スタッフは「素材は既に撮影済みですが、尺を伸ばすため過去のVTRを差し込んだり、多くの作業が発生した。通常時と編集リズムも変わり、数分延ばすだけでも骨が折れる」と苦労を明かす。それでも「いつかスポンサーに戻ってきてもらうためにも視聴体験のクオリティーは落とせない」と、テレビマンは本来必要のない作業を必死に続けている。現場の誇りに、経営陣がどう応えるのか問われている。

 ≪AC67本→7本≫1日の放送では、AC以外のCMが注目を集めた。日本民間放送連盟や、日本広告審査機構(JARO)、そして自局番組の宣伝などが増加。「めざましどようび」(午前6~8時半)は1月25日では67本がACの広告だったが、1日の同番組では7本へと激減。特に7時台が顕著で、前週は全13本がACだったが、この日は全6本のうち1本。CM自体の時間も6分30秒から3分へと減らした。フジのCMを巡っては、約80社もの企業が放送を見合わせている。

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