Infoseek 楽天

阪神・佐藤輝 自発的メニュー組み替え、5年目覚悟のキャンプイン 先にラン済ませ課題の守備に全集中

スポニチアネックス 2025年2月2日 5時17分

 プロ野球は1日に沖縄、宮崎両県でキャンプイン。阪神・佐藤輝明内野手(25)は、自主的に個別練習のメニューを一部変更。個別練習での特守で力を出し切るため、当初は最後に組み込まれていたランニングメニューを唯一、全体練習前に済ませた。藤川新監督のもとで迎えた5年目シーズン。2年ぶりのV奪回に向け、主力の自覚を示した。

 全体練習前、佐藤輝の姿はサブグラウンドにあった。早出で行う特守がメニューに組み込まれていたわけではない。ランニングシューズを履いて外野に向かうと、本来、この日の屋外で行う最後の練習メニューで、「強化コンディショニング」と予定表に書かれていた20メートル走4本、30メートル走4本の計8本を、自らの判断で早出の時間のうちに済ませた。

 「メニューにあったので、(先に)やろうって感じでした」

 異例とも言えるメニューの“セルフ変更”には明確な狙いがあった。全体練習後に行う特守を最後にしたかった。昨季は両リーグワーストの23失策と、内野守備を課題としている佐藤輝。最後に走る体力が残らないほどにその課題と向き合い、全力を注ぎたかった。

 「先に走っておかないと、練習後は走れないかなと思った。それだけ、守備に体力を使って、“守備で出し切る”みたいな。そういうイメージでした」

 特守では約30分間白球を追い、「出し切りました」と力強くうなずいた。早出の時間に猛ダッシュを繰り返していた佐藤輝を見て、「何で走っているんだ?」と懐疑的だった藤本総合コーチは、理由を本人から聞いて感心。「考えがあるのであれば、理解できますよね。自分で考えながらそういう行動をしたという点では、一つ成長したところかなと思います」と背番号8の成長を実感した。

 この日のフリー打撃では43スイング中、4本の柵越え。昨春キャンプから右翼後方に設置された“アレ・ネット”越えの当たりも2本放つなど、順調な仕上がりをうかがわせた。打撃に、守備に、藤川監督から選手に期待することとして全体にアナウンスされた「没頭する」、「姿勢を見せる」という2つのテーマを体現してみせた。

 練習後は、「疲れました!」と充実した一日となったことを強調。5年目を迎える今季は、チームを引っ張る立場となる。その覚悟がにじみ出たキャンプ初日となった。(松本 航亮)

 <佐藤輝の春季C初日>

 ☆21年 午前8時半の早出練習から参加。フリー打撃は89スイングで柵越え9本。矢野監督は高い弾道と長い滞空時間を「凄く大きな魅力」と評価。

 ☆22年 フリー打撃82スイングで柵越え3本ながら「今は飛ばすより、フォームを確認」。バットを寝かせた新フォームで低いライナー性の打球を連発。

 ☆23年 フリー打撃68スイングで柵越えなし。前年秋に岡田監督は、球を捉えるポイントについて指導しており「(教えた内容と)正反対やなあ」。

 ☆24年 フリー打撃77スイングで柵越え5本。米国での自主トレを経て「バッティングが分かってきた」と実感。練習後は居残り特守で約40分間、ノックを受けた。

この記事の関連ニュース