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藤井棋王 タイトル戦第1局10連勝 増田八段との棋王戦初戦を制す 王将戦とのWタイトル戦を好発進

スポニチアネックス 2025年2月2日 20時34分

 将棋の藤井聡太棋王(22)=王将など7冠=が挑戦者に増田康宏八段(27)を迎える第50期棋王戦5番勝負第1局は2日、高知市で指され、先手・藤井が127手で勝利した。23年度竜王戦以来、前期棋王戦での無勝負を表す持将棋を含め、シリーズ第1局での連勝を10へ乗せた。すでに決着した27回のタイトル戦で26期もの獲得を支えるスタートダッシュを決めた。

 振り駒の結果、藤井の先手になり戦型は角換わりへ進んだ。1日の前夜祭。増田は藤井と並び立った壇上から、「藤井棋王にはずっと負けていて得意戦法の角換わりが難敵。後手番だと、受けざるを得ないので先手番が来ることを願っている」と牽制球を投じた。

 両者の対局では23年度朝日杯が名局賞特別賞に選ばれたが、対藤井戦は1勝6敗。ここ3局はいずれも後手番で角換わりの将棋を敗れていた。角換わりへ進むことを誘っているようであり、本心から避けたがっているようでもあったが振り駒の結果、後手番になり、藤井の戦型選択を受けて立った。

 32手目、増田が伸ばした6筋の歩で初めて持ち時間から2分を消費。前例を離れたこの手が、増田の準備だったと思われる。これに藤井は31分で3筋の歩を伸ばし、応戦。長く激しい中盤戦を経て、抜け出したのはやはり藤井だった。

 「桂を取られて厚みを作るのが難しい。その手前で工夫が必要だった」

 藤井は昼食休憩明けに桂損になり、形勢を悲観したと言うが、挑戦者に永瀬拓矢九段(31)を迎え、すでに連勝発進しているALSOK杯第74期王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)とのダブルタイトル戦を順調に滑り出した。

 「中盤くらいまではかなり戦えているのかな…と思った。ただ、中終盤での差を感じる。その差を埋められたら」。初のタイトル戦初戦を終えた増田は22日、金沢市での第2局を見据えた。

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