節分の日に、鬼が出た。金棒を持つかのようにバットを握りしめた中日・井上監督が、ノックの乱れ打ちだ。
「実戦が早く、投手はそこに合わせた調整になるが、1回は足がヘロヘロという日をつくろうよということで」
練習メニュー表に突如ピンク色で記載された「Dirty Hustle 99」。室内練習場で大野、清水、ドラフト2位・吉田(西濃運輸)の3人に鬼ノックだ。捕り損ねたら連続ジャンプスクワットの罰則付き。バテバテの吉田には「西濃運輸、遅いよ。宅配便はスピーディーだ」などと冗談を交えて約30分にわたって浴びせた。
「投手コーチが“監督が打ってくれた方が選手も動きます”と言うので、じゃあ打つよと。Dirty…と命名したのは俺ではなく、投手コーチの誰か」
最後は吉田の右足がつったために途中終了。吉田は松葉づえで車に乗り込み球場を後にした。指揮官は「大事には至っていないし、病院に行くレベルではない。明日は(吉田の強度は)落とします」と気遣った。ナインの状態を考慮しながら鍛え上げる。 (湯澤 涼)