打って、打って、打ちまくる!日本ハム・万波中正外野手(24)が2日、フリー打撃で場外弾を含む6発の柵越えを放つなど順調な調整ぶりを見せた。全体練習後には、約50分に及ぶ2日連続の居残り特打も敢行。手首が早く返ってしまう悪癖の矯正に取り組んでおり、「MVP」を目標に掲げるシーズンインに向け、打撃改造の春にしていく。
低い弾道でも、ぐんぐん伸びる。フリー打撃の中盤だ。万波が放った打球が、名護の爽やかな風にも乗って、バックスクリーン右のフェンスを越えた。これこそ、自主トレ期間から取り組んできた打撃改造の成果を表す一本だ。
「少しずつ打球の感じは変わってきて、中堅から右方向につかまった打球が行っている。逆方向に強めに打てているし、右中間にライナーが行っているので、それはかなりいい傾向かな」
最近3年間で57本塁打を記録したパワーが自慢だが、元々、手首が早く返ってしまう悪癖もあった。その矯正のヒントを得たのが、1月に行った米アリゾナ州での自主トレだ。ティー打撃では、三角形の犬用フライングディスクを使う打撃ドリルを続けている。バットと一緒に板状のフライングディスクを持ち、平らな面が体の正面に向いていくように意識してスイング。これで手首が返らず、バットの打球面がより長くベース上を通過することにつながっていく。
フリー打撃では左翼への場外弾を含む6本の柵越えを披露。逆方向へのライナー性の打球も連発し、徐々に打撃改造の成果も表れてきた。全体練習後にもキャンプ初日に続き、約50分のグラウンドでの居残り特打で新フォームを体に染み込ませた。「可もなく不可もなく、ですかね」とまだ満足はしていないが、「いいものも悪いものもいっぱい出た」と充実感をにじませる。
体のバランスを整えるため、キャッチボールでの左投げや左打ちにも挑戦。これも米国の自主トレ期間中に、右打者が左投げや左打ちの練習をして飛距離が伸びた実際の例を知り、自身の練習に取り入れた。「(左投げは)全くもって進歩はない」と苦笑いするが、あくまでバランス調整のための取り組み。「体の張り方に偏りが減ってきている感じはする。疲労が(左右で)均等になっている」と効果を口にした。
「MVP」を目標に掲げたのは、全試合出場してリーグ優勝&日本一を達成した結果、獲得できる可能性が高い栄誉だからだ。「今後、理想にどう近づけて進めているかだと思う」。日本ハムの主砲はまだまだ、進化を止めない。(田中 健人)