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米国育ちの日本人チェロ奏者エル・マツモトが2度目のグラミー賞受賞 坂本龍一さんらは受賞ならず

スポニチアネックス 2025年2月3日 10時5分

 世界最高峰の音楽賞「第67回グラミー賞」発表・授賞式が2日(日本時間3日)、米ロサンゼルスで行われた。米国育ちの日本人チェロ奏者エル・マツモト(33)が参加した「Traveni」が、最優秀ニューエイジ、アンビエント、チャントアルバム賞を受賞した。

 ステージに上がったマツモトは「Oh,my god…」と興奮を隠せない様子で英語でのスピーチを始め、家族に愛などを伝えた。「今、とても幸せです。このアルバムとプロジェクトを信じてくれた皆さんに本当に感謝しています」と喜びを語った。

 マツモトの受賞は22年の「最優秀クラシック・ソロ・ヴォーカル・アルバム」賞以来2度目。21年に米フォーブズ誌「30 UNDER 30(世界を変える30歳未満の30人)」に選ばれるなど、世界で活躍中のミュージシャンだ。

 ワウター・ケラーマン、チャンドリカ・タンドンと制作し、8月にリリースした「Traveni」で受賞。同作は、フルート、チェロ、人間の声によるマントラの3つを調和させ、世界中に癒やしの音楽体験を広めることを目的にしたという。

 同部門には、2023年3月、71歳で死去した音楽家の故坂本龍一さんによる最後のピアノソロコンサートを収録した「Opus」もノミネート。89年の「ラストエンペラー」以来、36年ぶり2度目の快挙が期待されていたが、受賞を逃した。

 他にも複数の日本人がノミネートされた。楽曲「Kashira」が最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンス賞にノミネートされた宅見将典(45)。「Sakura」で最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を受賞した23年以来2度目の受賞なるかが注目されたが、こちらも受賞ならず。

 優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム賞にノミネートされた東部ニューヨークのベーシスト北川潔(66)の参加アルバム「ビヨンド・ディス・プレイス」、最優秀映像作品スコア・サウンドトラック賞にノミネートの俳優真田広之(64)が主演、プロデューサーを務めた米ドラマ「SHOGUN 将軍」の楽曲、最優秀クラシカル・ソロ・ボーカル・アルバム賞には、南部バージニア州ウィンチェスターのバイオリニスト高山明美(57)が参加した作品「Bespoke Songs」がノミネートされたが、いずれも頂点を逃した。

 ◇エル・マツモト 1991年3月30日、札幌市出身、米国育ちの33歳。16歳でニューヨークのジュリアード音楽院に入学。故デヴィッド・ソイヤー氏の指導を受ける。ロンドンのロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団など世界中の著名な交響楽団と共演。シンフォニック・ロック・バンドCritical Hitのメンバーでもあり、米国とヨーロッパをツアーで回る。22年の第64回グラミー賞で、「最優秀クラシック・ソロ・ヴォーカル・アルバム」賞を受賞。

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