ロックバンド「LUNA SEA」が2日放送のテレビ朝日系「EIGHT-JAM」(日曜後11・00)にVTR出演。ボーカルのRYUICHIこと、河村隆一(54)が病を乗り越え、ステージに立つ理由を語った。
この日の放送は「ROSIER」や「I for You」など多くのヒット曲を生んだLUNA SEAを特集。番組でメンバー5人のインタビュー映像を放映した。
RYUICHIは2019年に肺腺がんの手術、2022年には声帯の静脈瘤除去の手術を受けるなど、病を乗り越えて昨年は全国41公演ツアーを完走した。
30年以上の親交があり、RYUICHIを「兄貴」と慕う「SOPHIA」の松岡充がスタジオに出演。昨年のコンサート映像を見て、苦しそうに歌う様子に衝撃を受けたといい「30年以上、僕もいい距離で見させていただいていて、バンドマン、ボーカリストとしても尊敬していて、人間としても近い存在、憧れる存在で、その人が“一番の自分の武器は歌だ”って思って生きてきたのに、病気でちゃんとまともに発声できないところにいって、僕は正直、心の中で“休んでくれ”って思ったし、“もうステージに立たないでくれ”って思いました」と正直な感想を吐露した。
そして「(昨年10月に開催された)大宮のライブを見た時に4小節なんとか声を出して、4小節歌わない。そしたらファンが歌う。もう一回4小節絞り出して、あれを見た時に本当に悲しくなって。僕の中で“完璧な人がなんでこうなっちゃったんだろう”って悲しくて」とツアーでRYUICHIが苦しそうに歌い、声が出ない場面はファンが歌っていたという様子を紹介した。
ただ、VTR出演したRYUICHIは「メンバー、ファンの皆、スタッフの皆に本当に支えられて、このツアーもある意味では苦しい戦いもあったんですけど、やってこれましたね」と多くの支えがあったからこそ、ツアーをやり遂げられたと感謝。そして「自分でも考えることは本当に無限にあって、ステージに上がるべきじゃないって考えもあった」とマイクを握ることを躊躇したこともあったと明かした。
それでも「逆に今日やれないこと、明日、また1行ずつでも…。昔に戻りたいわけじゃないけど、自分らしく歌えるようになる。そこに心が折れるまではステージに立ち続けたいなって」と苦しくてもステージに立つ理由を告白。「自分の中ではヘコむよりも心が折れるより、絶対1行ずつでも自分の歌を取り戻していくって気持ちが強くあった」と前を向いたと語った。
そして「(2月に開催する)東京ドームは充が笑顔で見られるドームになるといいなって思います」と呼びかけた。
この映像を見た松岡は涙を流し「よくよく考えた時にそれでもステージに立つんだって。(ギターの)INORANさんが(RYUICHIを)抱きしめた瞬間、“あ、こういうメンバーだから立てるんだ”ってこともバンドの素晴らしさ。ソロアーティストでは味わえない。バンドだからできるマジックをちゃんと見せてくれた。背中で語ってくれたってのはすごくうれしかった」とRYUICHIのなみなみならぬ思いを実感。「RYUICHIくんはその4小節をファンとともに作る、メンバーと一緒に作るんだって思いで立ってるんだなって今は思います」とRYUICHIがステージに立ち続ける理由が分かったと目を赤くしながら語った。