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韓国でプレーする日本人投手が増える? KBOで「アジア枠」を来年新設

スポニチアネックス 2025年2月4日 11時0分

 【室井昌也の月に2回は韓情移入】韓国野球委員会(KBO)は先月21日に2025年第1回理事会を開き、「アジアクォーター制度」、いわゆる外国人選手の「アジア枠」導入を決めた。2026年から施行する。競争力の強化と円滑な外国人選手獲得を目的としている。

 KBOリーグの外国人選手枠は現在1球団3人まで。3人全て投手または野手にすることはできず、今季は10球団中9球団が投手2人、野手1人。キウムだけが投手1人、野手2人という構成になっている。

 「アジア枠」は既存の外国人枠に1人追加され、アジア野球連盟(BFA)加盟国・地域の選手と、オーストラリア国籍の選手が対象となる。投手、野手は問わない。球団が選手に支払う獲得額には上限があり、契約金、年俸、出来高、移籍金などの総額は20万ドル(約3100万円)までだ。

 では、日本人でKBOの「アジア枠」の対象となりうるのはどんな選手だろうか。KBOはよく「打高投低」と評される。そのため外国人には長いイニングを任せられる先発投手が求められている。

 「打高投低」の要因の一つが投手と捕手の選手層が薄いことだ。わかりやすい数値だと昨季のKBOのワイルドピッチ(暴投)とパスボール(捕逸)を足した数はNPBの約2倍に上る(1試合当たりKBOは約1・0、NPBは約0・52)。

 昨年11月のプレミア12の日韓戦に登板した李映河(イ・ヨンハ)は、満塁での球種選択について「低めに落ちるスライダーを投げるべきだったが(暴投を考えると)難しかった」と話した。

 一方でKBOで活躍している外国人は、得点圏に走者を置いても「暴投を恐れず低めに決め球を投げられる投手」が多い。アジア枠ができたことで制球力に評価が高い日本人投手を獲得したいと考える球団は多いだろう。

 KBOでは昨年、外国人選手の故障離脱時に故障選手との契約は有効なまま代わりの外国人を迎え入れる期限付き移籍、「代替外国人制度」を導入した。その第1号は四国アイランドリーグplus、徳島インディゴソックスの投手、白川恵翔(23)だった。

 白川は2球団に所属し約3カ月間で12度先発。4勝を挙げ、ある程度役割を果たした。その事例を受けて、韓国球団が日本の独立リーグに関心を寄せる機会は増えそうだ。

 選手側も所属先をNPBに限定せず「上のレベルでプレーしたい」と考える独立リーガーや、若くしてNPB球団から自由契約となった投手にとって韓国行きは新たな選択肢となるかもしれない。

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