【2・14開幕 J俺の推しテン2】プロ4年目を迎えた横浜FマリノスのMF山根は言う。「若手ではない。いつまでも先輩の背中を見てばかりではダメ」。1年目から着実に出場機会を増やし、昨季はルヴァン杯でニューヒーロー賞に輝いた。今季はボランチの定位置奪取がノルマだ。「チームのことをより考えて過ごさないといけない」。下部組織育ちの21歳に新時代を担う自覚が芽生えてきた。
ホーランド新監督の下、殻を破るチャンスも整った。新布陣3―4―3の中盤が主戦場。冷静な判断と技術でパスをさばく司令塔だが、指揮官にはゴール前に顔を出す攻撃参加も要求されている。「ちょうど自分もそこは求めていたし、足りないところだった。いい成長の機会」。リーグ戦は3年間で無得点。「チームは得点を取れる選手が多ければ多いほど脅威になる」と攻撃面の課題と向き合う。
名波浩、長谷部誠、鈴木彩艶ら歴代のニューヒーロー受賞者は日本代表へと羽ばたいている。同世代の盟友・高井幸大(川崎F)は既に代表デビュー。「タイミングは違えど自分も目指す」と刺激を受けたが、「目の前のことをコツコツやるだけ」と焦ることはない。地に足を着け、チームの勝利に徹する。その姿勢が自らをさらに成長させる。(坂本 寛人)
◇山根 陸(やまね・りく)2003年(平15)8月17日生まれ、川崎市出身の21歳。横浜Mの下部組織で育ち、22年にトップチーム昇格。同年3月2日の神戸戦でJ1デビューを果たす。昨季は自己最多の28試合に出場。J1通算60試合0得点。世代別代表では23年U―20W杯に出場した。1メートル74、69キロ。利き足は右。