【新潟・新戦力紹介(11)】FW矢村健(27)はJ1で勝負するためにこの2年を過ごしてきた。「その舞台(J1)に立つチャンスが2年前にありながら選択せずに自分を取り戻すという意味でレンタルに出た。再びチャンスが来て、やっと初戦が始まるような気持ち」。ゴール量産だけを見据え、一つ上のステージに挑む。
J2藤枝では2年で25得点を積み重ねた。派手なボレーやダイレクトシュートが代名詞ではあるが、印象的なのは昨年9月のホーム栃木戦の決勝点とアウェー仙台戦の2点目だという。いずれもゴールに向かうトラップで相手DFをかわし、コントロールシュートで決めた。「相手を見て、かわしてという判断が入るゴールは印象に残っている。成長した部分」と胸を張る。
強い競争心がその能力を引き上げた。昨季千葉でJ2得点王とMVPを受賞した新潟医療福祉大の後輩のFW小森飛絢(24、シントトロイデン)とは「お互いに意識をしていたし、LINEでのやりとりでそういう話もしていた」。得点王争いでは小森が23点、矢村が16点と結果的に後塵(こうじん)を拝したが「いい刺激は常にあった」と言い、渡欧した後輩に負けまいと活躍を期している。
今季から背負う9番には「点取り屋というイメージがある」。クラブから提案があり、番号に見合った活躍に「チャレンジするという思い、覚悟も含めて付けさせてもらう」と決めた。1点、また1点とネットを揺らし、エースストライカーの座をつかみ取る。