オリックス・山下が、10時間超えの長時間トレーニングをこなした。昨年10月末に第三腰椎分離症を再発した影響でキャンプはB組スタートながら、今キャンプで初めて捕手を座らせ60球のブルペン投球を行うなど、順調ぶりをアピールした。
「一番の目的は、開幕から一年通してやること。時間はあまり意識していないですけど、決めたメニューをこなさないと一日終われないので。好きで(練習を)やっています」
23年の新人王右腕は昨季、故障の影響でわずか3勝。復活と、さらなる進化へ燃えている。午前8時30分からの球場での早出練習に備え、宿舎で治療を受けてから球場へ出発。球場で約9時間のトレーニングをこなし、宿舎に帰った後もストレッチや腰部のケアなどのリカバリーメニューに取り組み、合計で10時間を超える。「ケガが続いているので、まずは再発を防ぐのが一番の課題。体に負担が掛からずに負荷をかけられるトレーニングを、オフからいろいろ試してやってきている」。日によって重点的に鍛える部位を変えながらウエートトレーニングを行うなど、さまざまな工夫を凝らす。
ブルペン投球を視察した岸田監督は「(球が)速かったですね…。どう見ても明らかに順調そう」と感心しつつ、実戦復帰については「無理はさせないです。状態を見ながら、そんな焦らずともいいと思います」と慎重。見据えるのは、万全の状態を整えさせた上での開幕ローテーション入りだ。「もちろんブレることなく、開幕から投げるということは変えずに(目標として)やっていくので」と山下。日が沈んだ宮崎の空の下で、目をぎらつかせた。 (阪井 日向)