米紙ニューヨークポストが、大谷翔平の元通訳・水原一平被告(40)のブックメーカー(違法賭博業者)だったマシュー・ボウヤー氏(49)にインタビュー。「彼(水原)が大谷の許可なく、お金を盗んでいるのは明らか。一度も、金額の大きさに動揺する様子を見せなかった」との証言を掲載した。
水原被告はボウヤー氏の運営する賭博サイトを通じ、2024年1月まで賭博を行っていた。同被告は大谷翔平になりすまして銀行に電話し、資金を動かしていたとされるが、一時期はボウヤー氏に2週間ごとに50万ドル(約7500万円)を送金していた。
同氏は水原被告に「この賭けは大谷のものか?」と尋ねたことはないという。検察によると、水原は2021年9月から2024年1月までの間に、少なくとも1万9000回の賭けをボウヤー氏を通じて行っていた。
期間中、水原被告の総勝ち額は少なくとも1億4225万6769ドル(約213億円)、総負け額は少なくとも1億8293万5206ドル(約274億円)であり、結果として約4067万8436ドル(約61億円)の負債を抱えた。この期間、ボウヤー氏は定期的に水原被告の賭け金上限を引き上げていた。
ボウヤー氏は、水原被告が負け続けることについて本人に尋ねた。「大丈夫かと聞いたら、彼は自分はギャンブルが本当に下手なんだと言っていた。私は彼を少しはコントロールしようとした。彼は深刻なギャンブル依存症だったと思う」と振り返る。だが止められなかった。
その理由についてボウヤー氏は「自分の欲に負けた」と認める。水原被告の依存症を心配していたものの、欲に負けて彼を切ることができなかった。「私自身もギャンブル依存症だった。カリフォルニアの自宅からラスベガスに行き、何100万ドルも賭けていた。今となっては、私も共犯だったと感じて罪悪感がある」と明かす。
司法省はボウヤー氏が現役および元プロ選手からも賭けを受けていたと指摘している。「私は聖人ではなかったが、顧客が破滅するのを防ぎたかった。現在のプロアスリートの約半数が何らかの形でスポーツ賭博をしていると思う。そのうちの10%はギャンブル依存症だと思う」と述べた。
ただし、彼の見立てでは「自分の競技に賭ける選手は3%未満」だという。ボウヤー氏は現在、カジノへの立ち入りを禁止され、人工芝の販売で生計を立てている。自らの経験を記した本を自費出版する予定だという。