NHKは4日、日本IBM社に対し、システム開発にかかる業務委託契約の解除に伴う既払の代金の返還および損害賠償を求める民事訴訟を3日に東京地方裁判所に提起したと発表した。
NHKの発表によると、受信料関係業務全般を支える「営業基幹システム」を刷新するため、現行システムの使用期限である2027年3月を新システムの納期として、日本IBMに対して2022年12月、新システムの開発・移行業務を委託する業務委託契約を締結。しかし、24年3月に日本IBMから突然、大幅な開発方式の見直しが必要との申し出があり、その後、同年5月に納期について1年6カ月以上の大幅な延伸が必要との申し入れがあったという。
NHKは「日本IBM社からの申し入れ内容は事業継続に甚大な支障が生じることから、やむをえず、業務委託契約に基づいて2024年8月に契約解除するとともに、日本IBM社に対し支払った代金の返還を求めてきました。しかし、日本IBM社からはその後も代金の返還がなされなかったため、今回の訴訟提起に至りました」と、訴訟に至った経緯を説明した。訴訟請求額は54億6992万7231円としている。
NHKは「裁判のなかでNHKとしての考えを主張し、適切に対応してまいります。また、システム開発中止に伴う対応はすでに実施しておりますが、引き続き、業務への影響がないよう必要な取り組みを行ってまいります」とコメントを発表した。