将棋の藤井聡太王将(22)=7冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦するALSOK杯第74期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負の第3局が東京都立川市の「オーベルジュ ときと」で5日から始まるのを前にした4日、同市内の「ホテル日航立川 東京」で前夜祭が行われた。関係者を含め約130人が来場。万雷の拍手で迎えられた両対局者は、それぞれ熱い意気込みを語った。
20年から立川立飛対局が始まり、藤井の王将位初挑戦は21年。「立川での対局は毎年開催しているので、なじみの深い会場の1つになっています」と話した。「オーベルジュ ときと」は昨年に引き続いての会場となり、「オーベルジュと言うとおり、食事が素晴らしかった。今年も楽しみにしたい」と笑った。第3局に向けては「ここまで2局指して、いろいろ課題も見えてきたと感じています。2日間集中して全力を尽くしたい」と意気込んだ。
永瀬は20年の第70期王将戦以来、2度目の立川立飛対局。「前回は3連敗しての4局目で指し、その後連勝で返すことができた。2連敗で迎えての同じ状況なので、目一杯戦って1勝を返して、1局でも多く見てもらえるように頑張りたい」と力を込めた。
ここまでフレッシュジュースを複数杯飲むなど、食事面でも注目を集めている永瀬。「タイトル戦では体重が減るといいますが、私はかなり増えてまして…今回はカロリーを控えたいですね」と笑いを誘った。第3局に向けては「一局一局勉強になっていますが、一局でも多く勉強するには勝つしかない。無意識にできることは無意識にして、盤上のみに集中したい」と気合を入れた。
練習対局を何度も重ねてきた藤井、永瀬が初めて2日制で盤を挟むタイトル戦。第2局では研究の深い永瀬がうまく駒組みを進めたものの、藤井がうまく対応し攻守ともに永瀬を制圧した。通算成績は藤井の2連勝で、今局を制すれば王将4連覇に王手がかかる。対する永瀬は先手番を持つ第3局で、巻き返しを狙う。どのような対局になるのか、注目の一局があす始まる。