プロ野球の阪神を監督として1985年に球団史上初の日本一に導いた吉田義男（よしだ・よしお）氏が3日午前に脳梗塞のため死去した。91歳。
巨人の長嶋茂雄終身名誉監督（88）は、同時代を生きた先輩、戦友の吉田氏の悲報を受け「突然の訃報にただ驚くばかりです。我々の仲間だったプレーヤーが…。残念としか言葉がありません」と沈痛な思いを吐露。そして「小柄の遊撃手でありながら、大型選手並みのプレーをされていたのは忘れられない思い出です」と1メートル67と小柄な体でプロ野球の世界で活躍し、華麗な守備でベストナインを9度も受賞した「牛若丸」の現役時代のプレーに思いをはせながら吉田氏をしのんだ。
吉田 義男（よしだ・よしお）1933年（昭8）7月26日生まれ、京都市出身。山城では2年夏に甲子園出場。立命大を1年で中退して53年に阪神入り。俊足巧打の遊撃手で、1メートル67と小柄ながら華麗な守備は「牛若丸」と呼ばれた。コーチ兼任の69年限りで引退。ベストナイン9度。通算350盗塁は球団歴代2位。球宴には13度出場し、56年第2戦で決勝打を放ち殊勲選手賞。3期8年に渡って阪神監督を務め、85年には21年ぶりリーグ優勝と球団初の日本一に導いた功績で正力松太郎賞を受賞。90～95年はフランス代表監督を務め、同国の野球普及に尽力した。92年に競技者表彰で野球殿堂入り。現役時代の背番号23は阪神の永久欠番。