オリックス・杉本が、昨季限りで監督を退任した中嶋聡スペシャルアドバイザー(SA)の直接激励に発奮し、右翼の定位置再奪取を誓った。
「(直接会うと)やっぱり安心感がありますね。成長した姿を見せたいです」
監督退任後、対面したのは実は2度目。昨年12月に都内で偶然の再会を果たした。「急に目の前にバンと“久しぶりです”って現れたので、びっくりした。“奇跡だな”って言われた」。2軍でくすぶり続けていたプロ5年目の20年8月、当時2軍監督から1軍代行監督を務めることになった中嶋SAから「一緒に(1軍に)行くぞ」と言われてともに1軍昇格。翌21年に自己最多の32本塁打で初の本塁打王を獲得した。成り上がるきっかけをくれた恩師と再びキャンプ地で対面し、闘志に改めて火がついた。
中嶋SAは退任後初めて報道陣の取材を受け、教え子たちにエールを送った。「何で打てなかったのか、何が足りなかったのか、自分たちが一番分かっているでしょう。変わったことをせずに、しっかりレベルアップしてほしい」。前日3日に球団は同じ外野手のオリバレス獲得を発表。33歳の大砲は「毎年、誰が来ても競争になるので。そこに勝っていきたい」と力強く決意表明。昨季82試合の出場にとどまったラオウが、恩師の期待に応えてみせる。(阪井 日向)