ロッテのドラフト1位・西川史礁外野手(21=青学大)が4日、沖縄・石垣キャンプのフリー打撃で44スイングで10本の柵越えを放った。3日間で柵越え32本の右の大砲は、11日の紅白戦に1番で実戦デビューする方針。昨年3月の強化試合では侍ジャパントップチーム入り。同じ「大学侍」だった楽天・宗山塁内野手(21=明大)も11日の練習試合・日本ハム戦(金武)に出場予定で、注目新人が同日実戦デビューを飾る。
久しぶりに太陽が顔をのぞかせた石垣の空に、力強いアーチがかかった。西川が、今キャンプ3度目の屋外フリー打撃でもパワーを発揮。「大事にしている」という1スイング目は低い弾道で左翼フェンス直撃だったが、ギアを上げ、135メートルの特大弾を含めて44スイングで10本の柵越えを放った。
「10本ですか?昨日より1本上がってるんで。もっと伸ばせるように、全球ホームランぐらいの、そういう意識でやりたい」
3日間、計179スイングで32発。バックスクリーンなど中堅方向にも飛距離が出るなど、新人離れした打撃を披露し続けている。栗原打撃コーチは「左脚が着地してから下半身を回転させる速度が速いし、しっかり回れるので下半身の回転に手がついてきて加速する感じでボールに力が伝わる」と分析した。
実戦デビューは11日のキャンプ初の紅白戦。本来はクリーンアップタイプだが栗原打撃コーチは「5イニング(制)なので打席数を考えて」と、西川を1番で起用して打席数を多く与えるプランを明かした。昨年3月、欧州代表との強化試合で大学生ながら侍ジャパンのトップチーム入りした4人のうちの一人。その際チームメートだった、楽天ドラフト1位の宗山(明大)も、同じ日の練習試合・日本ハム戦(金武)で実戦デビュー予定で、注目の“大学侍”が同時デビューを果たす。
この日は侍ジャパンの井端監督がキャンプを視察。久々に言葉を交わした。「どんどん成長してるのかなと思います。その可能性があると思ったので昨年呼びました」と26年WBCでの招集についても期待した。
球団では19年に24本塁打した井上晴哉以降、20本塁打を放った日本選手がいない。「前回のWBCを見て、その舞台で絶対に活躍したいという思いが芽生えた」という西川が、まずは開幕1軍へのアピールを続ける。(大内 辰祐)
◇西川 史礁(にしかわ・みしょう)2003年(平15)3月25日生まれ、和歌山県川辺町(現日高川町)出身の21歳。小1年から野球を始め、丹生中では「和歌山日高ボーイズ」でプレー。龍谷大平安(京都)では2年春に甲子園出場。青学大では3年時に東都リーグ春夏連覇&全日本大学野球選手権V。3年春、4年春にMVPを獲得した。1メートル82、88キロ。右投げ右打ち。趣味は釣りと睡眠。