大谷級スイーパーで2年ぶりの最多勝に返り咲く。DeNAの2年連続3度目の開幕投手が濃厚な東が、沖縄・宜野湾キャンプで初めてブルペン入り。34球のうち、曲がりを大きくしたスライダーに手応えを得た。
「イメージはスイーパー。(曲がり幅を)平均で45センチを基準としたい」と目標を持って投じた球種。1球ごとに「40~50センチの目標をクリアした」という曲がり幅は、最大で50・3センチを計測した。スイーパーといえばエンゼルス時代の大谷(ドジャース)が多投し、23年から大リーグのデータサイトで一つの球種として分類が始まった球種。23年の大谷の平均曲がり幅は17・2インチ(約43・7センチ)で、東が設定した平均45センチなら大谷に匹敵する武器になる。
16勝3敗、防御率1・98、勝率・842をマークし、初めての最多勝と最高勝率のタイトルを手にした23年。曲がり幅の平均は40センチほどだった。だが、183イニングを投じた昨季は疲労で次第に曲がり幅が減少。そこで「左腕を頭から離さないように回し、打者により近いところでリリースする」という23年に近いフォームに修正した。データなどを担当する球団アナリストが持つ大谷の投球データも活用。球団では96~98年の野村弘樹以来となる3年連続2桁勝利への力とする。
三浦監督も「強い気持ちでやっている」と信頼が厚い左腕。「今年はバウアーも来る。負けずにそこ(エース)の座を狙いたい」と日本一連覇と27年ぶりのリーグ制覇へ、順調に滑り出した。(大木 穂高)