【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】昨年まで2年間、臨時コーチを務めさせていただいた古巣・西武キャンプ。ブルペンでは菅井投手の投球に目を引かれました。育成選手で入団し、今季が4年目の左腕。打席に人形を立たせ、左打者の内角に投げる練習を繰り返していた姿が印象的でした。
左打者に向かって変化するシュート、ツーシーム系のボールで内角に突っ込んでいく。プロの世界で生き抜くためには絶対に必要で、内角に投げきれない投手は1軍で生き残れないと思います。右投手が左打者に投げるのとは意味合いが違う、左腕から左打者への内角攻め。特に長距離打者に対して内角に勇気を持って突っ込めるような投球ができれば、西武投手陣の中でも楽しみな存在になると思って見ていました。
昨季プロ初勝利を挙げた21歳。修正能力の高さも感じました。投球練習で制球をミスした際、自ら同じボールを「もう一球いきます」と宣言。次は制球良くしっかりと投げていました。この力をぜひ実戦の中でも発揮してほしいと思います。
今井、高橋、隅田投手らがそろう先発陣ですが「決して安泰ではないぞ」と思わせるだけの力を持った若手投手が、西武には数多くいます。菅井投手だけでなく黒田投手、育成の黒木投手…。投手陣は非常に高いレベルで競争をしている。そう感じさせられたブルペンでした。(スポニチ本紙評論家)
▼西武・菅井(松坂氏の前で投球練習)あれ(内角攻め)があったらもっと幅が広がるかなと練習している。