将棋の藤井聡太王将(22)=7冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦するALSOK杯第74期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負第3局1日目が5日、東京都立川市の「オーベルジュ ときと」で指されている。
1日目の午後2時までに65手進み、持ち時間も約2時間差で藤井がリード。進行の早い本局を、立会人の青野照市九段(72)はどう見ているのか聞いた。
現局面では藤井が7六に馬を作り、8五に桂馬と前進して気持ちよく攻めているように見える。だが「一見、後手の方がうまく攻めているように見えるが、簡単な局面ではないですね」と青野九段。今後の永瀬の方針としては、つくらせた馬を狙ったり、8筋で前のめりになっている桂馬を逆用するなどが考えられるという。「肉を切らせて骨を断つような…そんな強い受けをしながら、攻撃のタイミングを計っているのでしょう」と話した。
ただ、持ち時間は永瀬の方が消費している状況。「この進行は想定していなかったかもしれません」と分析する一方、「藤井さんは右玉で薄いですし、飛車と王も近いので、攻められると…まだ永瀬さんも楽しみがあるので、勝負はこれから。右玉がこの後どう響くのかが1つのポイントです」と語った。