将棋の藤井聡太王将(22)=7冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦するALSOK杯第74期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負第3局は5日、東京都立川市の「オーベルジュ ときと」で行われ、午後6時4分に藤井が78手目を封じ、1日目が終了した。
定刻より少し早い午後5時47分、記録係に「図面を書いておいてください」と伝えた藤井。一度対局室を出てから再度戻ると、しばらく盤を見つめる。そして午後6時4分に「封じます」と告げた。
先手永瀬、後手藤井で始まった対局は、角換わりの出だしから藤井は右玉に。藤井が馬を作るなど気持ちよく攻めているように見えるが、攻守ともに陣形が不安定。永瀬は守りを固めつつ、相手の弱点を探して攻撃のタイミングを図る展開になった。立会人の青野照市九段(72)によると、「4四にいる藤井さんの馬をどうするかが勝負の分かれ道」だという。藤井は馬の厚みを生かした攻めをしたい一方、永瀬は馬を抑える、もしくは消すことができるかが2日目のポイントとなりそうだ。
封じ手の予想を副立会の中村太地八段(36)に求めると、「難しいですね。一手間違えたら…という悪手の海な気がします」とポツリ。勝敗を左右する重要な局面で迎える2日目は、あす午前9時から再開される。